通信制高校とよく間違えられるものに〈フリースクール〉があります。フリースクールとは一体どんな学校なのか、また通信制高校との違いについて紹介します。
フリースクールとは？
フリースクールとは、何らかの理由によって学校に行けない子供たちを受け入れている施設です。運営主体はNPOやボランティア団体、または個人など。国が定める学校でないことは通信制高校との大きな違いです。
フリースクールの目的は主体性の促進と心のケアなど
フリースクールの目的は、学校復帰や自立支援、または子供の居場所作りです。何かを強制されるというよりも、子供たちの主体性を伸ばすこと、または傷ついた心を癒すことを主眼としています。
フリースクールで行うことは学校によって様々
フリースクールで何ができるかは学校ごとに異なります。学習支援をメインとするスクールであれば授業進度に合わせた学習支援が受けられますし、逆に居場所作りをメインとした学校であれば、ゲームや読書など、自分の好きなように過ごせるスクールまであります。また、課外学習や体験学習などを用意しているところもあり、その特色は学校によって様々です。
フリースクールには不登校・いじめ・発達障害・知的障害などの子供が集まる
フリースクールに通うこども達は何らかの理由を抱えていることがほとんどです。例えば、不登校、いじめ、発達障害、知的障害など、様々な事情を抱えた子供が集まっています。フリースクールのスタッフはこうした事情を理解していますので、そうした点に配慮された運営が行われています。
家ではできない経験ができることが魅力
スタッフや他の子供達と触れ合いなど、家では得られない経験ができることは、フリースクールの共通の魅力と言えるでしょう。たとえ学校にうまく適応できなかったとしても、人と触れ合いたいという思いを持った子供は多いです。そうした思いを実現できることはもちろん、同じ環境での生活を通して社会性が身についたり、友達ができたりと、フリースクールに通うからこそ得られるメリットもあります。
フリースクールと通信制高校の違いは？
フリースクールと通信制高校の大きな違いは、まずフリースクールは国が定める〈学校〉ではないということです。つまり、フリースクールに通い続けていても高卒資格を得ることはできません。もし高卒資格取得を考えるなら、通信制高校をはじめとした、〈国が定めた高等学校〉への入学が必要となります。
その点、通信制高校は有力な選択肢となるでしょう。
そもそも通信制高校にも、不登校やいじめ経験者、また発達障害を抱えた生徒が多く集まっています。これはフリースクールとの共通点とも言えるでしょう。学校もそうした状況を踏まえ、このような事情には理解ある態度を示しています。またカウンセラーを配置している学校もあるなど、心の面のケアまで配慮した運営が行われてるのも特徴です。
また、通信制高校には音楽・アート・ファッション・アニメ・イラスト・IT通信など、全日制や定時制では学べないようなカリキュラムを用意している学校もあります。興味のあること、得意なことを学び、個性を伸ばしたい、そんな思いに応えられるのが、通信制高校の魅力のひとつです。
学費も公立高校であれば年間５万円程度と安く済みます。充実した環境を望むなら私立通信制が良いでしょう。学費は２５万円〜と学校によって様々です。
編入・転入についても随時募集している学校もあるため、子供がやる気になったタイミングで入学できる可能性もあります。
フリースクールではなく高卒資格を得られる学校に通いたい、そのような思いをお持ちなのであれば、通信制高校への入学をご検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
- フリースクールの運営主体はNPOやボランティア団体、個人など。国が定める学校でないことが通信制高校と大きく異なる。
- フリースクールの目的は主体性の促進と、心のケアなど。
- フリースクールで行うことは学校によって様々。学習に力を入れるところもあれば、好きなことを自由にやらせる学校もある。
- フリースクールには不登校・いじめ・発達障害・知的障害などの子供が集まる。こうした点は通信制高校との共通点である。
- フリースクールに通い続けても高卒資格は得られない。高卒資格がほしければ、通信制高校や定時制高校といった、国が定めた高等学校への入学を検討する必要あり。
フリースクールに通い続けても高卒資格を得ることはできません。高卒資格が欲しい場合は、通信制高校など国が定めた学校への入学を検討しましょう。通信制高校にはアニメやイラスト、ファッションやアート・音楽など、子供の個性を伸ばせるカリキュラムが用意された学校もあります。そうした教育が受けられることも通信制高校の魅力ですので、一度通信制高校について調べてみてはいかがでしょうか。
