通信制高校では「単位制」という制度が導入されています。学年制とは異なり1年間で取得する単位数に縛りがないため、自分のペースで学習を進めたい人には向いている制度といえるでしょう。また必須科目以外は自分の学びたい教科を中心に授業選択できるのも単位制の特徴です。
通信制高校の「単位制」ってどんな仕組み?
通信制高校では「単位制」という仕組みが導入されています。単位制においては、1年間の取得単位数に縛りがありません。必要な単位は卒業までの合計で取得すればよく、働きながら通信制高校に通う人、自分のペースで卒業したい人は、4年・5年かけて必要単位をとっても良いのです。
ちなみに、学校教育法では高校卒業条件のひとつを「必須科目を含む74単位以上を取得すること」と定めており、これは通信制高校においても同じです。
また、必須科目以外の部分については自由に授業を選択できます。自分の学びたいことを中心に授業を組めることも単位制の特徴です。
単位制と学年制との違いは?
単位制が学年制と大きく異なる点は「自由度」です。先に述べたように、単位制においては卒業までに必要単位を取得すればいいため、自分のペースで学習を進められることが一点。そして必須科目以外の部分については、自分の好きな科目を中心に授業を組めることがもう一点です。
「学年制」においては、1年間で取得しなければならない単位数が定められており、規定単位を取得できなければ留年となってしまいます。また授業のカリキュラムも比較的しっかり決められており、自分の好きなように選択できる範囲は限られています。
何かしらの事情を抱えており、自分のペースで学習を進めたいと考えている方にとって単位制は悪くありません。また自分の学びたいことを中心に授業を組めるので、好きなことや得意なことを伸ばしたいと考えている人にとっても良い選択肢となるのではないでしょうか。
学年制より単位制に向いている人は?
学年制より単位制に向いている人は、繰り返しになりますが〈自分のペースで学習を進めたい人〉でしょう。これまで不登校でいきなり週5で学習に取り組むのが不安な方。仕事や外部の活動をメインとしながらも、自分のペースで学習を進め卒業を目指したい方、などは単位制にマッチする可能性はは高いです。
全日制とは大きく異なる制度ですので、メリットも全く違います。もし全日制高校を卒業できるか不安という方は、単位制をとっている通信制高校を進路として考えてみるのも良いでしょう。
通信制高校における単位取得の流れ
通信制高校の授業は、基本的にネット教材を使った自宅学習がメインです。そこにレポート提出や、スクーリングでの授業が組み合わさり、最終的に単位認定試験に合格して単位取得という流れとなります。
- ネット教材を使ったe-ラーニング
- レポート提出
- スクーリング
- 単位認定試験
以上のサイクルを基本とし、単位取得していくのが基本となります。
単位制のデメリットは?
単位制は自由度が高い分、自分で目標を定めること、モチベーションを維持すること、そして計画性をもって学習に取り組むことが大切です。単位取得を先送りにしてしまうと、いつまでたっても卒業できません。自制心と計画性をもって学習に取り組んでいきましょう。
まとめ
- 単位制とは、必要な単位数を卒業までの合計で取得していく制度。
- 単位制は学年制と違って、1年間で取得しなければならない単位数に縛りがなく、留年もない
- 必須科目以外は自分の好きなこと、学びたいことを中心に授業を組めることも単位制の特徴
- 自分のペースで学習を進めたい人にとっては単位制は向いている。
- 自由度が高い分、自制心や計画性が求められることがデメリット
単位制は全日制とは全く異なる制度です。だからこそ、「自分は全日制に合わないな」と感じる方にとっては進路先の選択肢になるのではないでしょうか。現在は通信制高校の注目度も年々上がってきています。進路も多種多様になっている今だからこそ、自分に合った進路先をしっかりと考えてみましょう。