通信制高校に進学を検討しているが、インターネットなのでマイナスな意見を目にすることが多い方がいます。
例えば、「通信制高校は人生の終わりだからやめておけ!」のようなインパクトのある意見です。実際、以下のような理由で通信制高校はやめた方がいいと言われているようです。
- 大学に進学できない
- 就職できない
- 学校に通わないで家にいる
- 社会性が身につかない
- 学費が高い
- なんとなくイメージが悪い
この記事では、上記の理由が本当に正しいのか数値的なデータをもとに解説します。また、通信制高校でも充実した生活を送れるコツや注意点を詳しく説明します。
通信制高校が人生終わりと言われる理由
「通信制高校は人生終わりだからやめておけ」という情報をインターネット上で見かけることがあります。
「進路として考えていたがマイナスの意見があるならやめようか」と考える人も少なくないでしょう。
この記事では、通信制高校を選択しない方がいいと言われている理由を紹介します。また、理由に対して、本当にそれは正しいのかを統計データを示しながら解説します。
やめた方がいい理由は以下の6つです。
- 大学に進学できない
- 就職できない
- 学校に通わないで家にいる
- 社会性が身につかない
- 学費が高い
- なんとなくイメージが悪い
①大学に進学できない
通信制高校が人生終わりの選択と言われる理由は、世間から「大学に進学できないのでは?」と思われているからです。
在籍生徒は不登校経験者や、学力が低く全日制高校に行かない生徒が多いと認識しているからでしょう。
では、実際の数値はどうでしょうか?文部科学省からの「高等学校通信教育の現状について」の資料で「通信制課程の卒業後の状況(令和元年度間)」では高等学校卒業後の状況を以下のように示しています。
通信制高校 | 全日制高校 | 定時制高校 | |
---|---|---|---|
大学進学者 | 17.6% | 56.5% | 13.3% |
通信制高校は15%以上の方が大学に進学しています。確かに全日制高校の56.5%の約半分が大学に進学する事実と比べると少ないように思えます。
しかし、通信制高校卒業者の23.3%が専修学校に進学しているという実績があります。つまり、大学だけに縛られず多様な進学先を選択しているということです。
また、23.1%の方が就職する実績を残すなど、それぞれの将来に向けて歩んでいる様子がわかります。そのため、世間が言うような「通信制高校は人生終わり」と決めつけてしまうのはもったいないでしょう。
②就職できない
「就職できないから通信制高校には通うな!」という意見があります。全日制高校に通った方が大学進学から就職する流れを想像している方が大半だからです。
しかし、先ほどの「通信制課程の卒業後の状況(令和元年度間)」の統計データを見てみましょう。
通信制高校の就職者率は23.1%と示しています。全日制高校は17.2%という数値のため、より数値が高いことがわかります。
ちなみに、通信制高校は通常教科だけでなく、職業に直結しやすい「専門科目」を学べるため就職率が高いことが考えられます。
専門科目は美容系やIT系、保育系など様々です。詳しくは[専門科目が通信制高校の強み]で紹介しています。
上記の説明の通り、就職できないという情報を鵜呑みにすることはやめた方がよく、むしろ無事に就職できる可能性が高いのが通信制高校です。
③学校に通わないで家にいる
通信制高校に進学すると、学校に通わないで家にいる状態になるので良くないという意見があります。「家で引き込まってしまうのでは?」と世間の方は感じているのでしょう。
実際、通信制高校は通学して学習するタイプとオンラインで家で学習できる2つのタイプがあります。世間はオンライン授業しかしないと思っているので、家にいる時間がほとんどだと感じているのでしょう。
実際、通信制高校のカリキュラムは通学とオンライン学習が混ざった形式をとります。学校規定の回数分通学しなければ単位が取れない方針を掲げる学校もあるぐらいです。
通学の仕組みがあるため、家にずっと引きこもるということはないでしょう。しかし、他の全日制高校や定時制高校と比べるとオンライン学習の比率は格段と多いため、家で引きこもってしまう可能性もなくはありません。
④社会性が身につかない
「社会性が身につかないから通信制高校はやめとけ」と言われるケースがあります。社会性とは、集団生活の中で、関係を築きながら生活することです。
先ほど説明した、家にいる時間が多くなることと関係してきますが、周りの人と過ごす時間が少ないのが通信制高校のデメリットかもしれません。
基本的に学校の目的は学力をつけることだけでなく、集団生活の中でより良い関係を作る方法を学び生活することです。そのため、クラスという集団生活を過ごしたり大人数で何かを成し遂げる学校行事が存在します。
不登校経験者や集団生活が苦手な方には、他者と触れ合う時間が少なくなる通信制高校がメリットに感じることもありますが、ある程度のコミュニケーション能力を保持しなければいけません。
しかし、社会性を身につけられないから通信制高校はやめといた方がいいと感じるのはどうでしょうか。
⑤学費が高い
通信制高校は学費が高いので進学しない方がいいという意見があります。
全日制高校の公立学校の学費は約10万円ですが、就学支援金の影響で実質無料で高校に通えます。
対して、通信制高校の費用は公立と私立で以下のような目安になります。
- 公立
内訳 | 費用 |
---|---|
入学金 | 500円 |
授業料(1単位当たり) | 300~500円 |
授業料以外の費用(年間) | 2万~3万円 |
計 | 約3万円 |
- 私立
内訳 | 費用 |
---|---|
入学金 | 1万~5万円 |
授業料(1単位当たり) | 5千~1万2千円 |
授業料以外の費用(年間) | 10万~30万円 |
計 | 約15万円 |
公立の通信制高校は年間3万円~、私立校は年間20万円~です。通信制高校は一つの授業ごとに授業料がかかる制度です。公立では300~500円から、私立だと5千~1万2千円かかります。公立と私立で大きく費用が違うため、通信制高校を志望する方は注意しましょう。
確かに、学費は全日制高校と比べると高いですが、通信制高校だからこそできる授業カリキュラムなどがあります。総合的に考えると、多少の学費が掛かることは致し方ないと考えてもいいでしょう。
⑥なんとなくイメージが悪い
「通信制高校はなんとなくやめておけ!」と悪いイメージを抱いている方もいらっしゃいます。
根拠のない理由から、通信制高校はやめた方がいいという方もいるため、そのような場合はあまり気にすることはないでしょう。
それだけインターネットにはあらゆる情報が溢れているということです。そもそも、すべての学校自体に良い評価をする卒業生徒があまり多くないことも原因です。
通信制高校を進学しようと考える方へのアドバイス
「通信制高校は人生のおわり」とまで言われていますが、実際に上記のような理由を見てみてどう感じたでしょうか。
もちろん、当てはまる理由もありますが考え方次第な部分もあります。
実際に通信制高校にこのまま進学したいと感じている方もいると思います。そんな方たちに向けたアドバイスを用意しましたのでご覧ください。
- 通信制高校にはチャンスが沢山ある
- 自分のやりたいことを見つけられる可能性がある
- インターネットの情報を全て信じない
通信制高校にはチャンスが沢山ある
通信制高校には全日制高校にはないチャンスが沢山あることを覚えておきましょう。
多くの生徒が中学時代に不登校を経験していた方たちです。中学時代はほとんど学校に通えていない場合、学業や部活動、私生活の部分で経験できないことも多かったでしょう。
その場合、通信制高校に通えば高校生から再スタートして学校生活を迎えられるかもしれません。
不登校生徒や学力に自信がない方向けに、基礎的な学習内容を教えてくれたり、オンライン学習があるおかげでストレスなく過ごせることもあります。今まで得られなかった大きなチャンスでしょう。
通信制高校に対して、希望をもってチャレンジする気持ちが大切です。
自分のやりたいことを見つけられる可能性がある
自分のやりたいことを見つけられる可能性があるのが通信制高校です。
理由は通信制高校が比較的自由な生活と学業が両立するからです。
スクーリングという通学制度があるのは事実ですが、オンライン学習できることで自宅での生活スタイルを崩しにくいでしょう。プライベートの時間が増えれば、その時間で自分のやりたいことを見つけられるかもしれません。
全日制高校に通う生徒は、一日授業した後は部活動に参加することが多いのが通例です。夜まで活動することもあるため、一日の大半を学校で過ごすことになります。
生徒の中には、日々の生活をこなすだけで精一杯と感じる方も多いでしょう。そんな状態で自分のやりたいことを見つけるのは難しいのかもしれません。
そのため、比較的時間の余裕がある通信制高校は、自分を見つめる時間ややりたいことをみつけるチャンスを得ているのではないでしょうか。
専門科目が通信制高校の強み
専門科目を学べるため、通信制高校は自分のやりたいことを探せる可能性が高いです。
専門科目は通信制高校独自の授業カリキュラムです。実際に専門科目を学ぶことが楽しくて学校に継続して登校できる生徒もいるぐらいです。
職業性の強い科目が多いため、将来の目標と関連付けながら授業を受けられることがメリットでしょう。自分のやりたいことが専門科目を学ぶことで明確になることだってあります。
では、具体的に専門科目はどのようなことが学べるのでしょうか?以下は飛鳥未来高校の専門科目の一覧です。
- メイク・ネイル
- 調理・製菓
- 保育
- アニメ・漫画
- IT・プログラミング
- ネイル
- ミュージック
- ファッション
- 医療事務
- ゲーム
- ウェディング
[参考:飛鳥未来高校 公式]
どうですか?具体的な科目を学べるので、自分の興味があるものを選択できます。
各通信制高校によって専門科目の数が違っていたり、学校によっては全く専門科目を用意していないこともあります。必ず受験校の資料に目を通しておきましょう。
下記のリンクからは、通信制高校の資料を一括で請求できます。気になる方はぜひご覧ください。
インターネットの情報を全て信じない
通信制高校に進学したいと考えている方は、インターネットの情報をすべて信じないことが大切です。
先ほど説明したように、インターネットには通信制高校をやめた方がいい理由が根拠もなく載っている場合があります。
インターネットの情報をすべて鵜呑みにしてしまうのではなく、正確な情報とそうではない情報を精査すると良いです。
学校見学・ホームページで自分から調べる
「正確な情報はどこから得られるのか?」と感じている方もいるのではないでしょうか?
一番簡単な方法は、学校見学・ホームページで自分から調べることです。
学校が掲載している情報には嘘偽りがないため、安心して情報を信じていいでしょう。
現代の通信制高校のホームページは文字だけでなく、写真や動画が挿入されておりわかりやすく学校の様子を知れます。
ホームページだけでは物足りない人は、実際に学校見学するといいでしょう。平日の生徒が授業している時間に学校見学すると、リアルな当該学校の生活を観察できます。
子どもと足を運んで、実際に学校に通える未来を想像できるかどうかも重要です。
他には、オンライン上で資料を請求できるシステムが充実しています。各学校ホームページから資料請求できます。
また、以下のリンクからは、資料の一括請求ができるようになっています。学校見学する前に、通信制高校とはどんなものか知りたい方にはピッタリです。
通信制高校でも充実した生活を送るコツ
中学卒業後は通信制高校に進学したいと考えている方も多いでしょう。ですが、もし入学してから、学校がつまらない、めんどくさくなってしまったということになったら問題です。
入学してからも、学校生活を充実できるよう、この機会に充実した生活になるようコツを知っておくと良いでしょう。
以下では、具体的に学校を充実させるコツを紹介します。
- 自己管理する意識を強く持つ
- 学校の特性を調べること
- 目標を決める
自己管理する意識を強く持つ
一つ目のコツは、自己管理する意識を強く持つことです。
「自己管理する」という言葉は中学校時代から先生などに言われた言葉ではないでしょうか。
聞き馴染みのある言葉ですが、通信制高校に進学する場合この言葉が特に重要になります。
オンライン授業は自己管理が命
通信制高校で「自己管理」が最も重要と言われる理由は、オンライン授業が主であるからです。
オンライン授業ということは、自宅で画面越しに授業を受けるということです。裏を返せば自分の意思次第で授業を受けることも受けないことも決められるのがオンライン授業です。
「ばれないから今日は授業サボってしまおう」と考えてしまうことも自宅で授業を受けているとあるかもしれません。
そのため自己管理が重要ということです。自分で時間を管理しながら授業時間になったら準備して受講しなければいけません。夜更かししたら授業が受けられないから早く寝ることを心がけることも大切でしょう。
そういった自己管理ができないと、通信制高校の生活は充実したものにはならないでしょう。
計画的に単位を取らないと卒業できない
通信制高校を充実させるためには、計画的に単位をとるように自己管理する必要があります。
必要最低限の単位数を獲得しなければ卒業できないのが通信制高校です。そのため、単位取得に何年かかろうが卒業はできないということです。
実際、通信制高校で修得しなければいけない単位数は74単位と決まっています。もちろん学校の先生も間に入ってカリキュラムを決めてくれますが、基本的に自分から今年はこのくらいの単位を修得しようと管理が必要になります。
イメージとしては大学の単位履修と似ています。
受動的に生活するよりも、自主的に学んでいかないと何年たっても卒業できない事態がおとずれるかもしれません。
学校の特性を調べること
通信制高校の生活を充実させるためには、学校の特性をしっかり調べることから始めましょう。
通信制高校には学校によって特色が大きく異なります。そのため、入学前に必ずどんな学校なのかを把握しておくことが必要です。
もし学校調べが不足していると、入学した後に「想像していた学校と違う」などの状況が訪れるかもしれません。
例えば、通信制高校の特徴は以下のような3つのパターンに分かれます。
- 専門科目が多い学校
- 授業スタイルが選べる学校
- 大学進学に力を入れている学校
上記の項目で自分の進路に適している学校を調べるのもいいでしょう。
専門科目が多い学校
一つ目の特徴は、専門科目が多い学校です。専門科目については、先ほどの[専門科目が通信制高校の強み]をご覧ください。
各学校によって専門科目のバリエーションは異なります。多い学校では10種類以上の科目、少ないところでは3つなど様々です。
学校のカリキュラムをいちいち調べるのは難しいと感じる方には、以下のような資料を一括で請求できるリンクから請求してみると良いでしょう。
授業スタイルが選べる学校
二つ目の特徴は、授業スタイルが選べる学校かどうかです。
通信制高校の授業は大きく分けて二つです。
①通学して受ける学習(スクーリング)
②オンライン学習
学校ごとに、通学とオンライン学習の割合が決まっていることがあります。また、オンライン学習の比率を増やして、スクーリングを減らせるコースがある学校も存在します。
そのため、自分が通信制高校でどのような授業スタイルを望むのかを決めなくてはいけません。そして、理想に合った学校を見つける作業が必要です。
例えば、鹿島学園高等学校の通学型コースは以下の通りです。
- 全日コース(週5日制)
- 週2~5日制コース
- 週1コース
コースが選択できると、自分の理想的な生活ができたり、ストレスなく学習を進められます。
大学進学に力を入れている学校
三つ目の特徴は、大学進学に力を入れている学校です。
通信制高校であっても大学に進学したいと思う生徒もいらっしゃいます。意識の高い生徒の為に通常の授業よりもハイレベルなコースを用意したり、大学受験に通用するような受験コースを用意している学校があります。
専門科目の中に上記のようなコースが含まれていることがあります。
将来は大学に進学することを考えているなら、大学進学に強い学校を進路とする方がいいかもしれません。
目標を決める
通信制高校の生活を充実させるためには、目標を決めることが重要です。目標を決めると、学校生活のモチベーションにも繋がります。
目標とは短期的な目標と長期的な目標の二つを掲げると良いです。
具体的に短期的な目標は、春夏秋冬ごとに決めるのが良いでしょう。また、1年ごとに目標を立てることも短期的な目標に含まれます。
長期的な目標は、通信制高校を卒業してからどのような進路を歩むかなどが目標になります。
少しずつ将来のビジョンを立てることも高校生としては必要な資質になります。
なんとなく学校の生活が過ぎてしまわないように、自分がワクワクするような目標を掲げることをおすすめします。
不登校生徒が通信制高校に進学する際の注意点
通信制高校に入学する生徒の多くが、中学時代に不登校経験を持つ方です。出席率の関係や学力の定着具合から通信制高校を進路とすることが多いからです。
では、不登校生徒が通信制高校に進学する際の注意点を知らなければいけません。
実際、なにも通信制高校のことを調べずに入学して、後悔する方も一定数います。「通信制高校は人生の終わりだ!」と発言する方も注意点を知っていなかったからかもしれません。
下記の注意点を参考にしてください。
- 不登校生徒へのサポート環境が整っている学校を選ぶ
- 通学日数が自分に合っているか判断する
- 公立と私立で学費が異なる
①不登校生徒へのサポート環境が整っている学校を選ぶ
通信制高校選ぶ場合は、不登校生徒へのサポート環境が整っている学校を選ぶようにしましょう。
なぜなら、不登校経験がある方は学校のサポートがある方が安心だからです。
サポート環境とは具体的に、スクールカウンセラーが在籍しているか、カウンセラーの人数や対応日数はどのくらいあるのかを調べましょう。
スクールカウンセラーは不登校生徒やメンタルケアが必要な生徒に対して、カウンセリングを通して心理的なサポートをする方です。専門的な心理カウンセラー資格を保持するなど、プロの目線で生徒に対応します。
引きこもり傾向や、人間関係の悩み、無気力などの様々な課題に向き合ってくれます。
高校卒業後に社会活動が可能になってほしいと願う保護者は多いと感じます。そのため、通信制高校在学中にカウンセラーの手を借りることが重要です。
②通学日数が自分に合っているか判断する
不登校生徒が通信制高校に進学する場合、通学日数が自分に合っているかを判断することが大切です。
通信制高校に入学する生徒の多くが「学校に通わないでいい」という間違った認識を持つことがあることと、通学することに難を抱える方が一定数いるからです。
通信制高校はオンライン学習があることが大きな特徴であると説明しました。しかし、オンライン学習のみではなく、定期的な通学(学校に登校する)が義務づけられています。
通学日数は各通信制高校によって異なるため、進学前にどの程度の通学日数があるかを見極めることが必要な作業です。
多くの学校で複数のコースが設定されており、自分で通学日数を選べる仕組みになっています。週に1日や2~3日の通学が必要なところもあれば、全日通学コースも存在します。
もし上記の情報を知らないで入学した場合、「学校に登校しなければいけないのか」、「思ったよりも通学日数が多いな」とマイナスに感じてしまうでしょう。
長期的に在籍する学校ですので、入念に調べておくことをオススメします。
③公立と私立で学費が異なる
通信制高校に進学を検討する場合は、公立と私立で学費が大きく異なることを理解しましょう。
通信制高校の学費目安は、先ほど説明したように以下の表を見るとわかりやすいです。
- 公立
内訳 | 費用 |
---|---|
入学金 | 500円 |
授業料(1単位当たり) | 300~500円 |
授業料以外の費用(年間) | 2万~3万円 |
計 | 約3万円 |
- 私立
内訳 | 費用 |
---|---|
入学金 | 1万~5万円 |
授業料(1単位当たり) | 5千~1万2千円 |
授業料以外の費用(年間) | 10万~30万円 |
計 | 約15万円 |
表の合計金額は年間の目安です。公立と私立の大きな違いは授業料です。私立は1単位当たり5千円~ですので、公立の300円~と比べると大きく違うのがわかります。
大体の方が3年間継続して学校に通うことが予想されます。費用面も進学先を決めるのには大きな要素になります。
多くの学校の資料を見て、学費を把握することが大事なのは言うまでもないでしょう。以下のリンクから通信制高校の資料を一括で請求できるため、容易に学費を把握できます。
通信制高校以外の選択肢
通信制高校に進学するつもりだったが、「入学はやめとけ!」という意見も多いため実際に進路を変更したい気持ちになった方もいるかもしれません。他の選択肢から進路を探すことは全く悪いことではありません。
進路を考えるうえで重要なのは、情報を多く取り入れその中から選択することです。その上で、通信制高校以外の進路先も頭に入れておくだけでも価値があるでしょう。
具体的に以下の5つの選択肢が目安になります。
- 定時制高校
- 高等専門学校
- 高等専修学校
- 全日制高校(私立)
- 就職
①定時制高校
定時制高校は昼から夜間にかけて登校が可能な学校です。そのため、昼間にお仕事をされている方も夜間に通学する方もいます。
具体的な特徴は以下の3点です。
- 4年間で卒業可能が多い
- 夜間・昼夜間通学がある
- 農業・工業・商業学科を専攻できる
通学する時間帯は主に3部で構成されています。夜間のみをイメージすることもありますがすが、午前中、お昼から始まる部もあります。
時間帯 | |
---|---|
1部 | 9:00~13:00 |
2部 | 13:00~17:00 |
3部 | 17:30~21:30 |
上記を見ればわかる通り、1日4時間の授業時間しかない為、卒業までには4年間の在籍が必要になります。
また、定時制高校は普通科だけではなく、農業・工業・商業・産業・総合学科から進路選択ができます。
定時制高校卒業後の進路として就職する方が多く、手に職を付けられる学科は人気といえます。
[参考:不登校生徒を受け入れる高校の種類は?高校選びの基準や受験までの準備も紹介]
②高等専門学校
最後の不登校を受け入れる学校は、高等専門学校です。
高等専門学校は、専門職や技術者を養成するための学校と言われています。例えば、機械操縦や建築系・電子系化学分野での専門職です。
- 職業に必要かつ、実践的な専門科目を受講できる
- 5年間の在籍が必要
全国に57校開校しており、6万人ほどの生徒が在籍しています。
高等専門学校は5年間の在籍が必要という特色もあります。
機械・建設・情報・化学・生物などの、専門的な科目を5年間みっちり学習できます。卒業生の中には、製造業をはじめとした産業業界から高い評価をもらう実績がある高校です。
[参考:高等専門学校の特色]
③高等専修学校
高等専修学校は、通信制高校や定時制高校、高等専門学校のように専門的な技術や知識を得ることを目的とした学校です。
専門的な知識や技術とは、将来的に専門的な職業に就きやすいものです。資格も在学中に取得できることがメリットです。
具体的にどのような分野と学科があるのか知りたい方が多いと思います。以下の表を見ると高等専修学校で学べる内容が良くわかります。
工業 | 情報処理、コンピュータグラフィックス、自動車整備、土木・建築 電気・電子、放送技術、無線・通信 |
---|---|
農業 | 農業、園芸、畜産、造園、バイオテクノロジー、動物管理 など |
医療 | 看護、歯科衛生、歯科技工、臨床検査、診療放射線、理学療法、作業療法、言語聴覚療法、はり・きゅう・あんまマッサージ指圧、柔道整復 |
衛生 | 栄養、調理師、製菓、製パン、理容、美容、エステ |
文化・教養 | デザイン、インテリアデザイン、音楽、外国語、演劇・映画、写真、通訳・ガイド、公務員、社会体育 など |
服飾・家政 | ファッションデザイン、ファッションビジネス、アパレルマーチャンダイジング、和洋裁、編物・手芸、スタイリスト |
商業実務 | 経理・簿記、旅行・観光・ホテル、会計、経営、医療秘書、流通ビジネス OA、ビジネス、福祉ビジネス |
教育・社会福祉 | 保育、幼児教育、社会福祉、医療福祉、介護福祉、老人福祉、精神保健福祉 |
定時制高校や高等専門学校とは違った分野を学習できるため、上記の内容に興味や関心がある方は進学を検討してみるもの良いでしょう。
卒業生の半分の割合が、在籍時に先行していた分野の職業に就いている結果も出ています。
[参考:高等専修学校のことが知りたい]
④全日制高校(私立)
全日制の私立高校とは、学校法人が運営している各校の校風や教育理念が色濃くでる高校です。
通信制高校を選択する生徒の多くが不登校生徒や学力が低い方というのを踏まえると、全日制の私立高校が進学しやすいです。
理由は、入学試験の際に、中学校の出席率が関係なかったり、学校によっては学力検査のレベルが低いことがあるからです。
私立高校受験は、学力検査や面接、小論文を主としているため、不登校生徒にマイナスである出席率は関係ありません。
また、私立高校は学力検査が自校作成なため偏差値に等しい試験が受けられます。
[参考:不登校生徒を受け入れる高校の種類は?高校選びの基準や受験までの準備も紹介]
⑤就職
学校に通わないで就職するという選択肢もあります。
昔は、最終学歴が中卒では仕事を見つけるのは難しいとされていましたが、現在はそんなことはありません。
むしろ、本人の意欲と将来性があると見込まれれば就職することはできます。
【まとめ】
「通信制高校は人生終わりだから進学はやめておけ」とインターネットで言われます。実際の理由は以下の6つがほとんどです。
- 大学に進学できない
- 就職できない
- 学校に通わないで家にいる
- 社会性が身につかない
- 学費が高い
- なんとなくイメージが悪い
しかし、理由の中には統計データなどを無視して少数意見を拡大解釈しているものや、単なるイメージもあります。
そのため、自分たちで学校のホームページをよくチェックすることや、学校見学に率先して向かうことが重要です。
結論、どの学校に行ったとしても本人の意欲や行動次第でプラスに変換できます。そのことを頭に入れてこれからの進路選択を進めてみましょう。